農地の鑑定評価-公共事業に伴う土地の取得(農地を農地以外)の評価の場合-
農地の鑑定評価
比準価格における取引事例の収集及び選択にあたっては、前提として、評価対象農地ががいかなる種類のものであるかを認定する必要があります。
具体的には、その農地が農業振興地域の農用地区域内農地かどうかを認識する必要があります。
農用地区域内の農地であれば、原則として転用許可が難しいため、農用地の取引事例を収集及び選択する必要があります。
一方、農用地でない農地であれば、取引事例も同様の農地を対象とするとともに、車両・資材置場等への利用も可能となることから、その賃貸に供したものを想定した収益価格を求めることとなります。
市街地農地の鑑定評価
市街地において土地が農地として利用されている場合でも、それが宅地地域にあり最有効使用が宅地と判断されれば、宅地として評価することになります。
また、生産緑地であれば、宅地見込地として評価する場合もあります。
※【不動産鑑定評価基準(抜粋)】
Ⅱ 農地
公共事業の用に供する土地の取得等農地を農地以外のものとするための取引に当たって、当該取引に係る農地の鑑定評価を求められる場合がある。
この場合における農地の鑑定評価額は、比準価格を標準とし、収益価格を参考として決定するものとする。再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも関連づけて決定すべきである。
なお、公共事業の用に供する土地の取得に当たっては、土地の取得により通常生ずる損失の補償として農業補償が別途行われる場合があることに留意すべきである。