(60)固定資産税(宅地)の評価方法について(路線価方式と標準宅地比準方式)

 今回は、固定資産税の宅地の評価方法について、復習を兼ねてみていきます。
 第7号でも説明していますが、固定資産税の宅地の評価方法には、主に「市街地宅地評価法(路線価方式)」と「その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)」の2つの方法があります。

「固定資産税の評価方法」

市街地宅地評価法(路線価方式)のしくみ

(1)用途地区の区分

 路線価の付設にあたっては、まず、大きな用途地区(商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区)に区分され、さらに必要に応じて細区分されます。
①商業地区
 商業地区は、主として商業店舗が連続する地区で、繁華街、高度商業地区Ⅰ、高度商業地区Ⅱ、普通商業地区に区分されます。
②住宅地区
 住宅地区は、主として住宅用の宅地が連続する地区で、高級住宅地区、普通住宅地区、併用住宅地区に区分されます。
③工業地区
 工業地区は、主として工業用宅地が連続する地区で、大工場地区、中小工場地区、家内工業地区に区分されます。
④観光地区
 観光地区は、温泉街地区、門前仲見世地区、名勝地区、海水浴場地区など、一般の商業地区とは若干性格を異にする地区をいいます。

(2)状況類似地域の区分

 状況類似地域区分は、街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便による条件が「相当に相違する地域」ごとに区分します。

(3)主要な街路の選定

 状況類似地域内において、最も代表的で評価の拠点としてふさわしいものを「主要な街路」として1カ所選定します。地価公示地及び都道府県地価調査地の所在する街路は「主要な街路」となります。

(4)標準宅地の選定

 主要な街路に沿接する宅地のうちから、奥行、間口、形状等が標準的なものを選定します。

(5)標準宅地の適正な時価の評定

 選定された標準宅地について、地価公示価格、都道府県知事地価調査価格及び不動産鑑定士による鑑定評価から求められた価格の7割を目途に標準宅地の適正な時価を評定します。

(6)主要な街路の路線価の付設

 標準宅地の適正な時価に基づき1㎡当たりの価格を算出し、その価格を主要な街路の路線価として付設します。

(7)その他の街路の路線価の付設

 主要な路線価を基準として、その他の街路の路線価を付設します。その他の街路の路線価の付設に当たっては、状況類似地域区分の基準(街路の状況、公共施設等の接近の状況、家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便)を総合的に考慮します。

(8)画地計算法による各筆の評点数の付設

 「路線価方式」における宅地の評点数は、路線価に基づき「画地計算法」を適用してそれぞれの画地の単位当たりの評点数を算出し、これに各筆の地積を乗じて算出します。

「用途地区と状況類似地域」

「状況類似地域」

「画地計算法」

その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)

 「その他の宅地評価法」は、通常、家屋の連たん度が低く「市街地宅地評価法」を適用する必要が認められない地域について適用する評価法です。
 評価方法は、状況類似地区ごとに標準宅地を選定し、標準宅地の適正な時価から求めた評点数に比準して状況類似地区内の各筆の評点数を付設します。
 この地域では路線価が付設されておらず、かなり離れている場所に標準宅地があるので注意が必要です。
 所有者の方は、毎年送られてくる課税明細書で分かりますが、所有者以外の第三者が個別の固定資産評価を知るのは簡単ではありません。固定資産評価証明書を取得する場合にも所有者からの委任状が必要となります。