(11号)土地の路線価方式による「画地計算法」について

(令和4年7月:旧20号、21号、22号の統合)

 固定資産税の宅地の評価方法は、「市街地宅地評価法(路線価方式)」と「その他の宅地評価法」の2通りがあります。これについては、第10号で説明していますので参照してください。
 今号では、路線価方式における「画地計算法」についてみていきます。

「画地計算法」の根拠規定

 路線価方式での各筆の評価方法は、固定資産評価基準で規定されています。また、市町村では必要性に応じて、市町村の固定資産評価事務取扱要領で「画地計算法」を規定しています。

 <市長村の「所要の補正」>
 ※固定遺産評価基準・第1章土地・第3節宅地
 「各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする。」

<市町村で採用されている「所要の補正」(例)>

 なお、「画地計算法」は、次の計算式により行います。

画地計算法の基本

 画地計算法では(1)奥行価格補正(2)間口狭小補正(3)奥行長大補正が基本となり、ほぼ全ての宅地評価で適用されます。

(1)奥行価格補正—奥行の長さと土地の価値

 宅地の価格は、道路からの奥行が長くなるに従って漸減します。また、著しく奥行が短い場合も同様です。
「奥行価格補正の評価例」

(2)間口狭小補正—間口が狭い土地

 宅地の価格は、間口が狭いと使い勝手が悪く価値が減少します。
「間口狭小補正の評価例」

(3)奥行長大補正—間口と奥行のバランス

 奥行が間口に比べて長大な宅地は、画地バランスが劣り、価値が減少します。
「奥行長大補正の評価例」

固定資産評価基準の「画地計算法」

不整形地の土地評価

 不整形地は形状から、その土地の利用効率が劣るため減価となります。
 固定資産税の不整形地の評価は、相続税評価と同じく「陰地割合法」を用います。
 「陰地割合法」は、まず①整形地を想定して陰地割合を求め、次に②不整形地補正率を求める方法ですが、次の図①及び②のとおり、かなり複雑な評価方法となります。
「①不整形地の土地評価—陰地割合」

「②不整形地の土地評価—不整形地補正率」

無道路地の土地評価

 直接道路に接していない無道路地は、出入りが不便なことや家屋等の建築が困難であること等、その利用上強く制限を受けていることから、一般的にその利用価値が低くなり、その分評価が低くなります。
 評価は、無道路地補正率0.6と通路開設補正率を乗じて求めます。
「無道路地の土地評価」

角地の土地評価

 角地とは、正面と側方に路線がある画地で、正面路線のみに接する通常の画地より利用効率が優ります。
 評価は、正面路線価に側方路線価の加算率を乗じた評点数を加算して、画地1平米当りの評点数を求めます。
「角地の土地評価」

がけ地を有する土地評価

 土地の一部か又は全部ががけ地等で通常の用途に供することができない土地については、土地の総面積に対するがけ地部分の面積割合に応じた補正率により求めます。
「がけ地を有する土地評価」

高速道路等に近い土地

 高速道路及び鉄道又は幹線道路に近接する地域にあって、騒音・振動により価格減価が認められる土地に補正率が適用されます。ここでは新幹線の補正率で検討します。
「新幹線に近い土地評価」

「所要の補正」の「画地計算法」例

高圧線下の土地評価

 土地の一部に高圧線下地となる部分が存在し、かつ高圧線下地が存することにより一つの土地としての価格が減価していると認められる場合。高圧線下地の地積に相当する価格とその他の部分の地積に相当する価格との加重平均によってその画地の価格を求めます。
「高圧線下の土地評価」

地下阻害のある土地評価

 例えば土地の下に地下鉄、地下道、公共下水道が存するため、一定の建築制限等があり価格が減価していると認められる場合に適用されます。地下阻害物までの深度は用途地区により異なりますが、この例は住宅地区で深さが20mまでの範囲とされています。
「地下阻害のある土地評価」

道路より低い土地評価

 土地が道路より1m以上低い位置にあるため、一般の土地に比べ日照や水はけなどの状況が不良であると認められる土地評価です。
「道路より低い土地評価」

水路を介する土地評価

 水路幅員が概ね1mを超える水路(暗きょ敷は除く)を介して正面路線に接する土地は補正率0.90を乗じます。
「水路を介する土地評価」

※ 他にも市町村ごとの「所要の補正」による「画地計算法」が定められているので確認してください。