(9号)固定資産税の納税義務者は誰か-毎年1月1日現在の所有者-

(第1回目投稿:平成25年、第2回目見直し:令和4年4月)

 固定資産税評価は3年毎のサイクルですが、課税は3年に1度ではなく毎年課税されています。

 ここに、固定資産税の年間スケジュールを再掲します。
「固定資産税評価の年間スケジュール(再掲)」

固定資産税の納税義務者とは

 それでは、1月1日現在に所有者がAであったものの、途中で売買によりAからBに所有権が移転された場合はどうなるのでしょうか。

納税義務者は所有権登記がされている者

 固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)に固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している者Aが納税義務者になります。

 固定資産税(土地及び家屋に限定)の納税義務者は、原則として登記簿に所有者として登記されている者(登記簿所有者)又は土地・家屋補充課税台帳に登録されている者です。
 その意味では、固定資産税の納税義務者は、必ずしも真実の所有者とは限りません。
 また、この納税義務者は賦課期日(毎年の1月1日現在)に登記・登録されている者ですが、この登記・登録されている者が賦課期日前に死亡しているときは、固定資産税を「現に所有している者」が固定資産の所有者となります。

<固定資産税の納税義務者等>
※地方税法第343条1項、2項(中略)
「1.固定資産税は、固定資産の所有者に課する。
2.前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいう。この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。」

 なお、不動産の売買においては、通常、仲介する不動産業者により「固定資産税の精算」が行われています。
 これは、売主Aが1月1日の納税義務者であるため、途中で不動産を購入した買主Bが契約(決済)日以降の分を日割計算で精算するのが慣わしであるからです。
 つまり、納税義務者はあくまでも売主Aで、売買当事者間A・Bでの精算ということになります。

納税義務者が死亡した場合

納税義務者が賦課期日前に死亡した場合

 前記に「所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。」(地方税法第343条2項)とありますが、相続人が複数いる場合に、相続登記がされている場合と相続登記がされていない場合の対応が分かれます。

 納税義務者が賦課期日前に死亡した場合、相続人間で遺産分割協議が成立していて相続登記がされていれば、その者が新たな納税義務者になりますが、遺産分割協議が行われていない(相続登記が行われていない)場合には、法定相続人全員が共有者として「現に所有している者」として納税義務者になります。

 これは連帯納税義務として、法定相続人全員が各々独立して全部の納税義務を負うことになります。形式的には課税権者(市町村長)は連帯納税義務者の誰に対しても全額納税請求をすることができます。

<連帯納税義務>
※地方税法第10条
「地方団体の徴収金を連帯して納付し、又は納入する義務については、民法第436条、第437条及び第441条から第445条までの規定を準用する。」

納税義務者が賦課期日後に死亡した場合

 一方、賦課期日後に納税義務者が死亡した場合、納税義務者はあくまでも賦課期日時点(1月1日)の所有者(形式上は死亡している者)となります。

 ここで、相続人が複数おり、遺産分割協議が行われた場合には、その者が現実の納税義務者となりますが、仮に遺産分割協議が行われていない場合は、各相続人はその法定相続分により按分した額の納税義務を負うことになります。この点が賦課期日前に死亡したときと異なります。

 また、この場合、市町村の長は、納税通知書等を受領する代表者を指定することができます。

<相続による納税義務の承継>
※地方税法第9条2項(中略)
「2.相続人が2人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第900条から第902条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。」

<相続人からの徴収の手続>
※地方税法第9条の2(中略)
「1.納税者につき相続があつた場合において、その相続人が2人以上あるときは、これらの相続人は、そのうちから書類を受領する代表者を指定することができる。この場合において、その指定をした相続人は、その旨を地方団体の長に届け出なければならない。
2.地方団体の長は、相続人の一人を指定し、その者を同項に規定する代表者とすることができる。」

(9号)固定資産税の納税義務者は誰か-毎年1月1日現在の所有者-」への3件のフィードバック

  1. 大変、有意義に拝見させて頂いています。

     固定資産税が1/6になる小規模住宅用地の特例ですが、
    1人で2軒の住宅を別の土地に所有してる場合でも、2軒とも適用されると認識しているのですが、間違っていないでしょうか。
     
     
     
     
     

  2. 木村様

     そのとおりです。

     1人が2軒の住宅を別の土地に所有している場合でも、住宅用の敷地であれば2つの土地はそれぞれ200㎡以下は1/6に減額されます。

                               鈴木

  3. うちの土地は少しややこしくて七筆あります。
    旗竿地で7筆全部合わせると
    市道に繫がりますので、
    実際に家のある1筆だけでは
    市道には繫がらないため建築基準にひっかかります。
    うち4筆は地目上、公衆道路です。
    家のある1筆は雑種地、他2筆は宅地です。
    この場合、住宅地として申告するのは
    実際家のある土地のみの方が宜しいのでしょうか?
    公衆道路は公衆道路として残しておいたほうが
    固定資産税としては抑えられるでしょうか?
    土地は7筆すべて合わせると120坪、
    家のある土地だけですと80坪程度です。
    宜しくお願いいたします。

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