(24号)「社会福祉法人」が運営する「老人福祉施設」の非課税について

(第1回目投稿:平成25年、第2回目見直し:令和4年5月)

 地方税法では、物的非課税(用途非課税)について、約70項目ほどが列挙されていますが、この中では、例えば単に「墓地」(法第348条2項4号)とのみ規定されているのもあれば、所有者と固定資産の両者が細かく限定されているものもあります。
 今号では、後者の一つとして「社会福祉法人」が「老人福祉施設」を運営する場合を紹介します。

※地方税法第348条2項10の5
社会福祉法人その他政令で定める者が老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの

 ここでは、所有者が「社会福祉法人その他政令で定める者」で、固定資産が「固定資産で政令で定めるもの」とされ、それぞれの政令を確認する必要があります。

老人福祉施設等に対する非課税

 まず、老人福祉施設等で非課税が認められる者は、必ずしも運営主体が社会福祉法人に限りません。
 地方税法施行令第49条の13では、①の者が運営する②の固定資産が非課税となるとされています。

①老人福祉施設等を運営する者

 老人福祉施設等を運営する者は、地方税法施行令49条の13第1項に次のとおり規定されています。
a.社会福祉法人
b.社会福祉法人とみなされる農業協同組合連合会
c.公益社団法人又は公益財団法人、農業協同組合及び連合会、消費生活協同組合及び連合会、健康保険組合及び連合会、企業年金基金及び連合会、国家公務員共済組合及び連合会、国民健康保険組合及び連合会、国民年金基金及び連合会、商工組合及び連合会、石炭鉱業年金基金、地方公務員共済組合及び連合会、日本私立学校振興会・共済事業団、医療法人
d.老人介護支援センターの設置を届出したもの

②老人福祉施設等で非課税となる固定資産税

 老人福祉施設等で非課税となる固定資産は、地方税法施行令49条の13第2項に次のとおり規定されています。
(a)aが経営する養護老人ホーム
(b)abが経営する特別養護老人ホーム
(c)abcが経営する老人デイサービスセンター、経費老人ホーム、老人福祉センター
(d)abcdが経営する老人介護支援センター

 特に医療法人が運営する「老人福祉施設等の用に供する固定資産」の非課税については、数年前ですが、かなりの市町村で課税誤り(非課税にもかかわらず課税していた)があった、とそれぞれの市町村のホームページで明らかにされています。

 某市町村の発表によりますと、「平成11年度地方税法改正により非課税範囲が拡大したものの、市町村職員の理解が不十分であったため、非課税にもかかわらず課税を行った」とのことです。

 なお、株式会社が経営する老人福祉施設等は非課税にはなりません。
 また、病院、クリニックは「物的非課税」施設には該当しませんので、ご注意ください。

社会福祉法人に土地を貸している場合

 ところで、固定資産税が非課税になるのは、社会福祉法人等が固定資産を所有している場合に限りません。土地所有者が、社会福祉法人等の利用の用に供するために土地を無償で貸している場合、その土地も非課税になります。
 ただし、有償で土地を貸している場合は、その土地は固定資産税が課税されます。
 例えば、次の図のように、社会福祉法人(A)が老人福祉施設を建設して運営し、その土地を(B)所有者から借りている場合を考えてみましょう。
 ※ 社会福祉法人(A)が(B)から土地を借りている場合

 社会福祉法人が土地と家屋を所有し、目的の用途に沿っていれば、当然、土地、家屋ともに固定資産税は非課税となります。
 ただし、固定資産がその目的以外に使用される場合は、固定資産税は非課税となりません。(348条3項)

 土地を社会福祉法人等に貸して有効活用を行おうと考える場合、賃貸にして(賃料を得て)固定資産税を支払うか、無償で貸して固定資産税を非課税にするか、これは所有者にとっては悩ましい「選択」となります。