(7号)固定資産税の年間スケジュール(毎年課税で年4期)

(第1回目投稿:平成25年、第2回目見直し:令和4年4月)

 固定資産税は毎年1月1日現在(これを「賦課期日」と言います)の固定資産の所有者に、当該年度(4月から)分が課税されています。

ここに固定資産税の年間スケジュールを掲載します。
「固定資産税評価の年間スケジュール」

固定資産税の納期は4期

 固定資産税の納期は4月、7月、12月、2月の4期が「標準納期」として地方税法に定められています。

 <固定資産税の納期>
 ※地方税法第362条
「固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。」

 主な市町村の納期を調べたところ、次のようになっています。
・標準納期…千葉市、横浜市、川崎市、新潟市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、北九州市、福岡市
・4月、7月、9月、12月…札幌市、仙台市、岡山市
・4月、7月、9月、11月…浜松市、広島市
・4月、6月、11月、1月…さいたま市
・5月、7月、9月、12月…相模原市、熊本市
・6月、9月、12月、2月…東京23区

 この標準納期を4月、7月、12月、2月としているのには意味があります。その主な理由は、他の税金の納期と重ならないようにするための配慮にあります。
・ 所得税(申告の場合)の納期…3月
・ 市町村民税の納期…6月、8月、10月、1月
・ 軽自動車税の納期…5月
 このように納期を並べて見ますと、改めて通年で税金の納期があることに思い知らされます。

 ところで、地方税法には、1期のときにそれ以降の納期分を前納した場合は、市町村の条例で報奨金を交付することができるとの規定があります。

 <固定資産税に係る納期前の納付>
 ※地方税法第365条
「1 固定資産税の納税者は、納税通知書に記載された納付額のうち到来した納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付しようとする場合においては、当該納期の後の納期に係る納付額に相当する金額の税金をあわせて納付することができる。
2 前項の規定によって固定資産税の納税者が当該納期の後の納期に係る納付額に相当する金額の税金を納付した場合においては、市町村は、当該市町村の条例で定める金額の報奨金をその納税者に交付することができる。」

 かつては、多くの市町村で報奨金制度を設けていましたが、「交付することができる」ですので、最近では、ほとんどの市町村で報奨金は行われていないのではと思います。

固定資産税の納税通知書と課税明細書

 毎年4月~5月上旬に固定資産税の納税通知書と課税明細書が納税義務者あてに送られてきます。地方税法では「遅くとも納期限前10日」となっていますが、実際には月の初旬には届いているのではないでしょうか。

 納税通知書は、市町村が固定資産税を徴収するための基本的な通知です。

 一方、課税明細書は、固定資産税の課税内容を明らかにするためのもので、納税通知書とともに送られてきます。

 土地と家屋は、市町村が一方的に評価し課税する「賦課課税方式」ですので、実はこの課税明細書を見ても、どのように評価されてこの評価額になっているのかは、まず分からないのではないかと思います。(「明細書」の言葉が一人歩きしています。)

固定資産税の縦覧制度と閲覧制度

 固定資産税の価格は、毎年3月31日までに決定され、4月~5月に納税通知書及び課税明細書が送付され、年4回の納期がスタートします。

 そして、毎年4月1日から第1期の納期限の間、「縦覧」という制度が設けられています。

 この縦覧制度とは、他の納税者の土地や家屋の評価額を縦覧することにより、自己の評価額の適正さを判断できるようにするために設けられているものです。
 つまり、固定資産税の納税者が自分の価格と他の納税者の価格とを比較するために設けられている制度です。

 具体的な縦覧方法は、上記の縦覧帳簿と、土地については路線価図面を閲覧することになりますが、固定資産課税台帳や名寄台帳等は縦覧の対象にはなりません。
 なお、縦覧の手数料は無料です。

 固定資産税の納税者は、自分の課税内容については、縦覧期間に限らず、年間を通じて随時見ることができます。これを「閲覧」という制度です。

 閲覧制度で見ることができる書類は、自己の固定資産課税台帳、名寄台帳等になります。名寄台帳とは、1筆1棟ごとの課税台帳を所有者ごとにまとめた一覧表のことです。
 閲覧の場合は、納税者本人だけでなく、借地人、借家人も借用物件の課税台帳等を見ることができます。

 閲覧の手数料は、無料か有料かは市町村により異なります。ただし、証明書の発行はどの市町村でも有料です。
「縦覧と閲覧制度」

固定資産税の不服審査の申出

 固定資産税に対して不服がある場合、一定期間内に不服審査を申し出ることができます。
 ただし、この不服審査の申出は、原則として3年毎の基準年度に限られています。
(この件については、次号でお知らせします。)

 ところで、固定資産税に対する不服と言っても、①価格に対する不服と②価格以外の「処分」に対する不服の2通りがあり、①の場合は固定資産評価審査委員会に対して、②の場合は市町村長に対して申し出ることになります。

 固定資産評価審査委員会とは、市町村ごとに設置され、学識経験を有する者のうちから市町村の議会の同意を得て、市町村長が選任します。

 固定資産税の価格が固定資産評価審査委員会へ不服申出することとされている趣旨は、価格が納税者の負担に直接重大な影響を持つものであることから、独立した合議制の機関で慎重に審査させることとされているからです。 つまり、固定資産税の価格を決定した市町村長以外の第三者が審査することにより、より公平性を担保させようとの仕組みである訳です。

 不服審査の申出期間は、①及び②ともに、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3ヶ月以内までとされています。(審査申出書を郵送される場合は、その郵便の消印の日付が期間内であれば有効です。)