(41号)「太陽光パネル設置用地」の固定資産税評価について

(令和4年7月:旧41号と42号の統合)

 今回は、再生可能エネルギー発電施設用地、なかでも「太陽光パネル設置用地」の固定資産税評価について説明します。

 太陽光パネルの設置は、他の風力・水力・地熱等とともに再生可能エネルギーの固定価格買取制度が平成24年7月にスタートして以降、急速に拡大しています。
 平成25年9月に総務省により行われた「再生可能エネルギー発電施設の用に供する土地に係る固定資産税評価に関する調査」(以下「実態調査」)において、太陽光の稼働が192箇所、見込が975箇所となっています。

 「太陽光パネル設置用地」は歴史が新しいこともあって、固定資産税評価の方法も必ずしも統一されていない実態があります。

「太陽光パネル設置用地」は雑種地

 土地は様々な利用がなされていますが、地目により価格事情を異にしますので、地目ごとに評価方法が定められています。

 そこで、まず「太陽光パネル設置用地」の地目は何かということになります。

 ここでは土地に直接太陽光パネルを設置して発電を行うものを仮定しますが、その場合、用地の大部分は建物を必要としない(建築物に該当しないよう設計されるケースが多い)ことから、その地目は雑種地とされるのが一般的です。
 前記の総務省の実態調査においても、8割超の市町村において、「太陽光パネル設置用地」は雑種地と地目認定されています。

雑種地の細分類と評価方法

 雑種地は幅の広い地目でありますが、固定資産評価基準では、次の①~③に分類され評価方法が定められています。
①「ゴルフ場等用地」
 ゴルフ場、遊園地、運動場、野球場、競馬場及びその他これに類似する施設の用に供する土地

※評価方法-固定資産評価基準第1章第10節2項
 ゴルフ場等用地の評価は、当該ゴルフ場等を開設するに当たり要した当該ゴルフ場等用地の取得価額に当該ゴルフ場等用地の造成費を加算した価額を基準とし、当該ゴルフ場等の位置、利用状況等を考慮してその価額を求める方法によるものとする。

②「鉄軌道用地」
 鉄道又は軌道による運送の用に供する土地

※評価方法-固定資産評価基準第1章第10節3項
 鉄軌道用地の評価は、当該鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する価額によってその価額を求めるによるものとする。

③「その他の雑種地」
 鉄塔敷地、水路敷地及び稲干場、塚地、柴草地、不毛地、砂地、荒ぶ地、土取場跡、へい獣捨て場等①②以外の土地

 「太陽光パネル設置用地」は雑種地のうち③の「その他の雑種地」に当たります。
 その他の雑種地」の評価は、固定資産評価基準には「売買実例地比準方式」と「近傍地比準方式」の2つの方法が規定されています。

 「売買実例方式」は、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法ですが、「太陽光パネル設置用地」は一般的な宅地と比較して新しい利用形態であることから、売買実例も少ないものと思われます。

 総務省の実態調査によっても、この方式によって評価された「太陽光パネル設置用地」は1割未満となっています。したがって、「太陽光パネル設置用地」の固定資産税評価では、「その他の雑種地」のうちの「近傍地比準方式」を説明します。

「近傍地比準方式」による評価

 「近傍地比準方式」は、市町村内に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法です。

 方法としては、まず「太陽光パネル設置用地」の評価にあたり、比準元(地目)を選定し、次に、比準元から比準を行うことになります。

比準元の選定

 「太陽光パネル設置用地」の比準元の選定においては、「土地の位置、利用状況等」を考慮する必要があります。

 位置については、「附近の土地」とされておりますが、鉄軌道用地の評価においては「沿接する」との用語が用いられており、この両者の違いに留意する必要があります。

 「その他の雑種地」では「附近」ということですので、例えば、必ずしも接続する路線価でなくても良く、社会通念として「近い」と解される範囲内であれば良い訳です。

 次に、利用状況については、附近に類似の雑種地があれば、その雑種地の選定で良いのですが、実態としてそのような雑種地が存在しない場合が多いと思われます。

 先の実態調査においても、全国の「太陽光パネル設置用地」のうち9割弱の土地の評価において、比準元となる「附近の土地」が宅地とされているようです。

 比準元が宅地である場合の雑種地評価の比準としては、①宅地間比準と②地目間比準の2段階の比準作業が行われることになります。

宅地間比準(第一段階)

 この方法は、比準元の宅地と評価対象地(宅地化が想定される「太陽光パネル設置用地」)との間で比準を行うものです。つまり、本来は「太陽光パネル設置用地」は雑種地ではありますが、一旦そこを宅地と想定し、宅地同士の比準を行います。

 ここでは、通常の宅地評価で考慮される要素である地域的格差及び個別的格差を比準することになります。

地目間比準(第二段階)

 次に、宅地と「その他の雑種地」の間における格差、すなわち、同位置・同形状の土地に係る地目間の格差を反映するための比準となります。

 この場合、評価対象地である「その他の雑種地」が宅地となるべき要素として、造成費相当額が主なものとなります。つまり、想定された宅地としての価格から造成費相当額を控除して求めることになります。

 この場合、市町村によっては、造成費相当額ではなく、一定の比準割合を設定して適用する方法も多く行われています。

 なお、この地目間比準は、本来は評価対象地が宅地化される際の格差が査定されるべきものであり、単に造成費相当額を控除するのではなく、他の要素があれば控除対象として適正な価格が求められるべきであります。