これまで大規模画地の固定資産税評価と不動産鑑定評価を紹介しましたが、では相続税評価ではどうなるのでしょうか。

 相続税評価では、その画地が「広大地」に該当するのかどうかで大きな違いが生じます。

◆ 大規模画地が存する条件

 仮に、画地が次の地域条件に存在することを想定します。(10号の再掲)

 [地域条件等の設定]

・ 用途地域   第1種低層住居専用地域

・ 建ぺい率 50% ・ 容積率 100%

・ 接面道路 4m公道  ・ 面積 850㎡

・ 固定資産税路線価 200000円/㎡

 そして、この大規模画地を有効活用する場合の分割例です。

 「大規模画地の分割例」 (←ここをクリック)

◆ 広大地の評価方法

 広大地の評価方法は、財産評価基本通達(24—4)により、次の算定式が定められています。

   広大地の評価=正面路線価×広大地補正率×地積

   広大地補正率=0.6-0.05×(地積/1000㎡) 

 ただし、広大地評価が認められるには、次の3要件を備えていることが必要です。

(1)その土地が標準的画地に比して著しく地積が大きいこと。

 ※三大都市圏では、500㎡以上とされています。

(2)その土地の最有効使用が戸建分譲素地であること。

(3)その土地を戸建分譲地として開発するに当たり、開発道路等の公共公益的施設用地の負担を要すること(いわゆる「潰れ地」ができること)

 ※ 「相続税の広大地」については、改めて特集を行う予定です。

◆ 具体的な計算

 まず、上の例が3要件に該当するかどうかを検討します。

 設定条件では、①850㎡ですので500㎡以上である②用途地域が第1種低層住居専用地域であり戸建分譲に適する地域である③大規模画地の分割例のとおり「潰れ地」が生じる。

 以上からこの画地は広大地に該当することになります。

 参考までに、固定資産税路線価が200000万円/㎡ですので、これを相続税路線価の水準に換算しますと、200000÷0.7×0.8=228000円/㎡となります。

 広大地補正率ですが、0.6-0.05×(850/1000)=0.56(▲44%)となります。

 固定資産評価基準で計算した減価が▲4%でしたので、相当の開差があることが分かります。

◆ 市町村の「所要の補正」

 固定資産税評価の場合、市町村単位で「所要の補正」が定められ、大規模画地の補正率が定められている自治体もあります。

 参考までにN市の「所要の補正」を紹介します。

 「N市大規模画地補正率表」 (←ここをクリック)

 このN市の「所要の補正」でも、普通住宅地区では3000㎡を超える土地が大規模画地として補正が行われるとされています。

 そうしますと、面積850㎡程度の画地は大規模画地の範囲には入らないということになります。

 つまり、固定資産税評価の場合は、大規模画地を絶対的規模格差と捉える傾向が強いようです。

 不動産鑑定評価や相続税の広大地評価の場合は、大規模画地を相対的規模格差と捉えますので、この点は、固定資産税評価と異なります。

 ただし、N市ではこのようになっていますが、大規模画地の市町村の「所要の補正」は千差万別です。

 市町村によっては、大規模画地を相対的規模格差と捉えている場合もあるようです。

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