筆者は、長年地方公務員として不動産関係や固定資産税の仕事に携わってきました。

 本講座は、「役に立つ固定資産税講座」をテーマにして、これまでのセミナー等での講師経験も活かしつつ、出来るだけ分かり易い説明に心がけるつもりです。

◆ 固定資産税とはどのようなもの

 では、そもそも固定資産税とはどのような税なのでしょうか?

 固定資産税は「土地と建物に課税される税金」と答える人がほとんどですが、これは正確ではありません。

 固定資産税とは、土地、家屋(固定資産税の場合は建物ではなく家屋と呼びます)及び償却資産の3つの資産に課税される税です。

 固定資産税とは別に償却資産税があると勘違いされがちですが、償却資産税という税目はありません。償却資産税ではなく「固定資産税のうちの償却資産」というのが正解です。

 固定資産税は「シャウプ勧告」に基づき、昭和25年に現行の地方税法が制定されたのに伴い創設されました。

 もっとも、土地に対する課税は古くから、年貢制度やその後の地租(国税)などの制度で行われていました。

 固定資産税は全国どこでも土地や家屋を所有していれば(非課税を除いて)課税される資産税で、基本的に役所が一方的に評価し課税するもので、これを賦課課税と言います。(償却資産は原則として申告を前提にしています。)

 これに対して相続税は、申告に基づく申告課税と言います。

 全国で課税対象となる固定資産税の土地の数はおおよそ1億8千万筆、家屋は約6千万棟とされ、基本的に全国すべての土地及び家屋が評価され課税されます。

 そのため固定資産税評価は「大量一括評価」とか「大量画一評価」とも呼ばれ、そこでは同じ基準の下に同じ方法で評価されることが要請されます。

 その基準となるのが地方税法と固定資産評価基準です。そして地方税法と固定資産評価基準の下に市町村ごとに、評価関係では事務取扱要領が定められ、課税関係は条例、規則が定められています。

◆ 土地の公的価格の一元化

 ところで、「土地の公的価格(評価)の一元化」という言葉を耳にされたことがあると思います。また「一物四価」とも言われます。

 土地の公的価格、「一物四価」とは、通常①地価公示価格、②都道府県地価調査価格、③相続税評価額、④固定資産税評価額の4つの価格を指します。

 ここで、①と②は地価公示法及び国土利用計画法に基づき、一般の土地取引の指標となるべきもので、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補(以下「不動産鑑定士等」)の鑑定評価の基準や公共用地の取得価格の算定基準ともなるべき価格です。

 ③は相続税及び贈与税課税のための価格であり①②の約8割を、④はその約7割を目途とすることとされています。

 昭和60年以降の地価高騰の影響を受けて、固定資産税評価額の水準が市場価格の1〜2割程度にまで低下し、地域間でもその割合が異なるなどの不均衡が生じていました。

 こうした事態の中で、適正な地価の形成、課税の適正化を図るため、価格相互の一元化を図ろうとするのが公的価格の一元化です。

 この根拠となる規定が平成元年に施行された土地基本法です。

 土地基本法第16条(公的土地評価の適正化等)

 「国は、適正な地価の形成及び課税の適正化に資するため、土地の正常な価格を公示するとともに、公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるように努めるものとする。」

 そして、固定資産評価額は、平成6年度から、地価公示価格の水準及び不動産鑑定士等の鑑定評価の7割を目途とすることとされたのでした。

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平成6年度から固定資産税算出の評価額を地価公示価格等々の7割を目途とするとされたとのお教えですが、これの根拠となっている法律あるいは政令等具体的に、いずれを指すのか、教えていただけないでしょうか?
また、昭和25年の法改正により、「地方税法」の中で現在の骨格が決まったようですが、それ以前の、「国税」だったころに比べて、同じ土地、同じ広さ等条件が同じだった場合、固定資産税に相当する金額は、上がったのでしょうか?下がったのでしょうか?その程度はどのくらいだったのでしょうか?

最後になりましたが、突然のぶしつけなご質問を、ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。

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固定資産税の見直し・引下げ

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