(4号)固定資産税宅地の負担調整措置の仕組み(非住宅用地の場合)

(第1回目投稿:平成25年、第2回目見直し:令和4年4月)

 今号と次号で、固定資産税宅地の負担調整措置の仕組みについてお知らせします。
 実は、この負担調整措置の仕組みが、土地評価の仕組みを分かりにくくしている原因の一つとなっているのです。

固定資産税の負担調整措置とは

 土地の固定資産税は、本来は、価格に税率(一般的には固定資産税1.4%、都市計画税0.3%)を乗じて求めるのですが、現状はそのようにはなってはいません。

 平成6年度に地価公示価格の70%を固定資産税の価格とすることにしたものの、それまでは実質的に10%〜20%程度であったものを一気に上げることが出来ないことから、少しずつ上げていくという経過的措置を採用しました。

 それではまず、負担調整措置に必要な用語の説明をしておきます。

①地価公示地価格等
 地価公示地価格、地価調査地価格、選定標準画地の鑑定評価額
②固定資産税の価格(評価額)
 ①の地価公示地価格の70%
③本則課税標準額(A)
 ・非住宅用地(商業地、更地等):②と同じ(地価公示地価格の70%)
 ・小規模住宅用地(200㎡以下):②の6分の1
 ・一般住宅用地(200㎡を越える):②の3分の1
④前年度課税標準額(B)
 前年度に実際に課税された固定資産税(土地)の課税標準額
⑤(今年度)課税標準額
 今年度課税される固定資産税(土地)の課税標準額
⑥負担水準割合
 前年度課税標準額(B)が本則課税標準額(A)のどこまで到達しているかの割合
 <負担水準割合=B/A>
⑦負担調整措置
 ⑥の負担水準割合により、非住宅用地と住宅用地それぞれの負担調整措置の仕組みに基づき決定

 通常であれば、②の固定資産税の価格(評価額)に税率を乗ずることで固定資産の税額相当額が求められるのですが、この負担調整措置の仕組みにより複雑な評価方法となっています。

非住宅用地(商業地、更地)の負担調整

 まず、非住宅用地(商業地、更地)の負担調整措置の仕組みから説明します。


 この図のとおり、固定資産税の税額の元になる課税標準額は少しずつ上がっています。

 本来は、固定資産税の価格と課税標準額は一致すべきものですが、いきなり一致させるには負担が大き過ぎることから、緩衝措置ともいうべき仕組みを設けたため、この価格と課税標準額が乖離する状況となっているのです。

 非住宅用地の固定資産税(土地)の価格(本則課税標準額)は、地価公示価格の70%となり、これが負担水準では100%となります。

 しかし、これでは以前との乖離が大きいため、更にその70%を非住宅用地の上限とされており、負担水準がこの70%を上回った場合は70%まで引下げることになり、この負担水準70%~100%が「引下げゾーン」となります。つまり、非住宅用地では、地価公示価格のレベルからすると70%×70%で49%が上限となります。

 また、負担水準の60%~70%までを「据置きゾーン」とされています。

 そして、負担水準が60%に達しない場合は、今年度課税標準額を「前年度課税標準額+本則課税標準額×5%(引上げゾーン)」とします。

負担水準と負担調整措置の計算例

 つまり、非住宅用地の仕組みでは、前年度の課税標準額の到達点に応じて「引下げ」「据置き」「引上げ」の3つのゾーンに振り分けられることになります。

 ここに、非住宅用地の負担水準と負担調整措置の下図の例で、今年度課税標準額を計算します。


 この図では、地価公示価格が200,000円/㎡でその7割が価格(本則課税標準額)(A)で140,000円/㎡となります。前年度課税標準額は80,000円/㎡になっています。

 ここから負担水準(B/A)は、80,000/140,000=63.3%となり「据置きゾーン」に入ることになります。
 したがって、今年度課税標準額は80,000円/㎡×面積のままとなります。

※ 小規模住宅用地の負担調整措置の仕組みは次号でお知らせします。