◆ 市街地宅地評価法(路線価方式)

 市街地宅地評価法は、主に都市部の住宅が密集した地域における、土地の固定資産評価に用いられるもので、路線価方式とも言われます。

 路線価方式は、道路1本ごとに価格をつけ、1つの同じ道路に接する土地について、すべて同一路線価から計算する方法です。

 この方式は、短時間に大量の土地評価ができること、評価後の価格に大きなばらつきが出ずに公平な課税が可能であること、地域ごとの評価バランスがとりやすいこと、などの利点があります。

 まず宅地を用途地区別に区分し、その用途地区内で街路の状況、公共施設等の近接の状況、宅地の利用状況等からみて価格事情がおおむね同等と認められる地域(状況類似地域)ごとに区分します。

 次に、主要な街路に接する標準的な1㎡当たりの適正な時価に基づいて、街路ごとに路線価を付設し、これを基礎として画地計算を行って、それぞれの土地の評点を求めます。

 ここに、「市街地宅地評価法の流れ」と「路線価方式の画地計算」を掲げますので、参考にしてください。

 「市街地宅地評価法の流れ」 (←ここをクリック)

 「路線価方式の画地計算」 (←ここをクリック)

◆その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)

 主に市街地的形態を形成していない地域における宅地(いわゆる村落地域)の評価は、原則としてこの「その他の宅地評価法」によります。

 道路ごとに路線価を付設せずに、状況類似地区の区分とその中で標準宅地を選定し、土地の宅地比準を行い求める方法です。

 横浜市内では、市街化調整区域内でも路線価方式を採用されていますが、筆者が県内のある町(自治体)へ鑑定の現地調査で訪れたとき、比較的に市街地的形態をなしている地域でも「その他の宅地評価法」を採用していたので驚いたことがありました。

 宅地の価格事情がほぼ同等で広域に亘るため、路線価を付設する必要性が無い等から路線価方式を採用しない訳ですが、(数年前の調査ですが)全国の市町村の8〜9割で「その他の宅地評価法」を採用しているとのことです。

 路線価方式であれば、路線価からある程度の価格水準を知ることができる(路線価を0.7で割り戻す)などメリットがあります。

 路線価方式への移行を検討している市町村も多いと聞きますが、移行時に相当な負担がかかる等の課題もあるようです。

 もちろん「その他宅地評価法」が適している市町村もありますので、その市町村の実態に合う方法を採用される必要はあります。

◆ 市町村の「所要の補正」

 市町村では、固定資産評価事務の取扱規程として、評価事務取扱要領を定めていますが、「所要の補正」は、この市町村ごとの取扱要領で定められています。

「所要の補正」とは、市街地宅地評価法における画地計算法の附表、つまり補正率の適用において、評価の均衡を図るため、個別の画地ごとに補正を行うことです。 (「その他の宅地評価法」では比準表の補正になります。)

 「所要の補正」の根拠は、固定資産評価基準にあります。

 固定資産評価基準第3節「宅地-各筆の宅地の評点数の付設」

 「各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし、「画地計算法」を適用して付設するものとする。この場合において、市町村長は、宅地の状況に応じて、必要があるときは、「画地計算法」の附表等について、所要の補正をして、これを適用するものとする。」

 「所要の補正」の例としては、財団法人資産評価システム研究センター「土地評価に関する調査研究」(H16年度)によると、次のようなものがあります。

(「所要の補正」例)

 接面街路との高低差や構造等、水路を介して道路に接する宅地、横断歩道橋が設置、鉄軌道からの騒音振動、急傾斜地、地下阻害物のある宅地、地上阻害物のある宅地、私道部分の土地、面積が狭小あるいは広大な土地…。

 固定資産評価基準の附表は10数項目ですが、市町村によっては、それより多い「所要の補正」が定められているのが普通です。

 ところで、この土地評価事務取扱要領は、非公開文書にはされていない筈ですので、市町村の担当窓口で見せてもらうことが出来ると思います。 (ホームページで公開している市町村もあります。)

 自分の固定資産税はどのように評価されているのか、その根拠は何かなど関心を持つことは非常に大切です。

 それを「納税者の協力」と言うかどうかは別としても、固定資産税は役所が一方的に評価・課税する賦課課税です。

 この賦課課税制度にあっては、納税者の協力があってこそ適正な評価・課税が実現できるのです。

 この考えは筆者個人の考えではなく、固定資産税行政を担うものの共通の思いであると信じたいと思います。

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