(第6号)固定資産税土地の負担調整措置の仕組み(小規模住宅用地の場合)

(投稿・平成25年ー見直し・令和4年12月)

 今号は、第4号に続いて土地の負担調整措置についてお知らせします。

 第4号は、商業地、更地の非住宅用地の負担調整措置の説明でしたが、今回は住宅用地(小規模住宅用地)の負担調整措置の仕組みです。

 その前に住宅用地とはどういうものかですが、第5号「固定資産税土地の住宅用地(小規模住宅用地・一般住宅用地)とは何か」で説明していますが、簡単に復習しておきます。

 

住宅用地とはどのようなものか

 そもそも住宅用地とは、居住のための建物が存在し、居住の目的を果たすために使用されている一画地の土地をいいます。

 住宅用地のうち200㎡以下は、固定資産税の本則課税標準額が1/6になります。これを小規模住宅用地の特例と言います。

 また、これが200㎡を超える部分は一般住宅用地と言い、本則課税標準額は1/3になります。

 例えば、300㎡の土地に居住用の家屋(専用住宅)が建っている場合は、200㎡までが小規模住宅用地の1/6、残りの100㎡が一般住宅用地の1/3となります。
(なお、一般住宅用地1/3の上限は家屋床面積の10倍までとされています。この図の例では上限が1500㎡となります。)
「住宅用地の減額特例」

小規模住宅用地の負担調整措置

 固定資産税の税額は、その年の課税標準額に税率を掛けて求めます。

 税率は、固定資産税が標準税率1.4%、都市計画税が制限税率(上限)0.3%とされ、市町村の条例で多少これと異なる税率もあります。

 問題は、課税標準額をどのように算出するかです。

 第4号で非住宅用地(商業地、更地)の負担調整措置の仕組みを紹介しましたが、住宅用地でも同じく負担調整措置という複雑な仕組みが設けられています。

 今回は住宅用地の負担調整措置の仕組みを紹介します。

「住宅用地の負担水準と負担調整措置」
 その年の課税標準額を求めるには、本則課税標準額に対する前年度の課税標準額の割合(これを負担水準と言います)を求め、その割合に応じて対応が変わってきます。つまり、前年度の課税標準額が、本則課税標準額のどこまで達しているかということです。

 固定資産税の価格は地価公示価格の7割です。非住宅用地(商業地、更地)の場合は、価格=本則課税標準額でしたが、住宅用地の場合はそうなっておらずに、200㎡までが小規模住宅用地で1/6,200㎡を超える部分が1/3を乗じたものが本則課税標準額になります。すなわち価格が本則課税標準額と一致しません。

負担の均衡化が進んできた

 平成26年度以降は、90%以上の「据置ゾーン」が廃止され、本則課税標準額一本に合わせていくことになっています。
 つまり、「前年度課税標準額+本則課税標準額の5%」が本則課税標準額を上回る場合は本則課税標準額まで引下げ、下回る場合は本則課税標準額に達するまで5%を上げていくことになります。

 平成26年度以降このような仕組みに変わってきましたが、この背景としては、住宅用地の負担の均衡化がかなり進んできたということがあります。住宅用地はようやくゴールの姿が見えてきたとも言えます。

2022/4/18/21:00