(21)固定資産税の年間スケジュール(縦覧と閲覧、不服審査申出期間)

固定資産税の縦覧制度 

 固定資産税の価格は、毎年3月31日までに決定され、4月上旬には納税通知書及び課税明細書が送付され、年4回の納期がスタートします。 

 「固定資産税評価の年間スケジュール」 

 固定資産税は毎年課税されているため、「今年も固定資産税の納税時期か」とこの期間を過ごす方がほとんどかと思いますが、地方税法にはこの時期に「縦覧」という制度が設けられています。 

 この縦覧制度とは、他の(納税者の)土地や家屋の評価額を縦覧することにより、評価額の適正さを判断できるようにするために設けられているものです。つまり、固定資産税の納税者が自分の価格と他の(納税者の)価格とを比較するために設けられている制度です。 

 そのため、市町村長は、(土地の場合)「所在、地番、地目、地積、価格」を記載した土地価格等縦覧帳簿を3月31日までに作成し、この縦覧帳簿を、希望する納税者の縦覧に供することになります。 

 縦覧期間は、「毎年4月1日から(通常は)最初の納期限の日まで」です。 

 最初の納期限は、多くの市町村では地方税法の標準納期の4月としているようですが、5月を最初の納期としているところもあります。また、評価替年度の3年に1回だけを5月としている市町村もあるようです。

※  東京23区内の第1期納期は6月、第2期は9月。

 具体的な縦覧方法は、上記の縦覧帳簿と、土地については路線価図面を閲覧することになりますが、固定資産課税台帳や名寄台帳等は縦覧の対象にはなりません。 

 縦覧の手数料は無料です。 

固定資産税の閲覧制度 

 固定資産税の納税者は、自分の課税内容については、縦覧期間に限らず、年間を通じて随時見ることができます。これを閲覧制度と言います。 

 閲覧制度で見ることができる書類は、自己の固定資産課税台帳、名寄台帳等になります。名寄台帳とは、1筆1棟ごとの課税台帳を所有者ごとにまとめた一覧表のことです。 

 閲覧の場合は、納税者本人だけでなく、借地人、借家人も借用物件の課税台帳等を見ることができます。 

 閲覧の手数料は、無料か有料かは市町村により異なります。ただし、証明書の発行はどの市町村でも有料です。

 「縦覧と閲覧制度」 

固定資産税への不服審査の申出 

 固定資産税に対して不服がある場合、一定期間内に不服審査を申し出ることができます。 

 ところで、固定資産税に対する不服と言っても、①価格に対する不服と②価格以外の「処分」に対する不服の2通りがあり、①の場合は固定資産評価審査委員会に対して、②の場合は市町村長に対して申し出ることになります。 

 固定資産評価審査委員会とは、市町村ごとに設置され、学識経験を有する者のうちから市町村の議会の同意を得て、市町村長が選任します。 

 固定資産税の価格が固定資産評価審査委員会へ不服申出することとされている趣旨は、価格が納税者の負担に直接重大な影響を持つものであることから、独立した合議制の機関で慎重に審査させることとされているからです。 つまり、固定資産税の価格を決定した市町村長以外の第三者が審査することにより、より公平性を担保させようとの仕組みである訳です。

 不服審査の申出期間は、①及び②ともに、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して60日以内までとされています。

 仮に固定資産税の価格に不服があり、訴訟に訴えようとする場合には、まずこの不服審査申出を行わなければなりません。これを審査請求前置主義と言います。

 この審査の決定(採決)の送達を受けた日の翌日から起算して6ヵ月以内に、いずれの場合も市町村を被告として不服の訴えを提起しなければなりません。

 しかし、この審査請求前置主義も必ずしも絶対に必要では無いという最高裁の判例(平成22年5月3日)がありますが、この点については、改めて触れることとします。

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