(58)宅地の税負担の調整措置(負担調整措置)-令和3年度は据置き

 負担調整措置については、第4号「固定資産税の仕組みは複雑で分かりにくい」で商業地(非住宅用地)を解説しました。

 また、第9号「固定資産税の小規模住宅用地の仕組み(負担調整措置)」で住宅用地の負担調整の仕組みを解説してきました。

 今号では、新型コロナウイルス感染症により、令和3年度については前年度の課税標準額に据置くこととされることを踏まえて、宅地の負担調整措置について再度説明します。

宅地の負担調整措置の仕組み

平成9年度以降の仕組み

 平成9年度の評価替え以降、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準(今年度の評価額に対する前年度課税標準額の割合)を均衡化させるため、税負担の調整措置が講じられています。
 負担水準とは、個々の土地の前年度課税標準額」が今年度の評価額に対してどの程度まで達しているかを示すものです。
「計算式」
 負担水準=前年度課税標準額/今年度の評価額(×住宅用地特例率(1/6又は1/3))
 これまで負担水準の均衡化は、相当程度進展してきている状況にありますが、この仕組みは引き続き継続されることとされています。

負担調整措置の仕組み-平成26年度~令和2年度及び4年度・5年度

令和3年度は負担調整措置を据置

新型コロナウイルス感染の影響

 現在(令和3年4月18日)、新型コロナウイルス感染症が拡大していますが、これにより社会経済活動や国民生活を取り巻く状況が大きく変化しています。
 そこで、納税者の負担に配慮する観点から、令和3年度に限り、負担調整措置等により税額が増加する土地について、令和2年度の課税標準額に据え置くこととされます。

負担調整措置の仕組み-令和3年度

宅地の税額の求め方

商業地等の宅地の場合

 商業地等の宅地とは、住宅用地以外の宅地のことをいいます。
 商業地等の価格の固定資産税は、次のとおり求められます。
 課税標準額(価格×70%)×税率=税額
(1)令和3年度
 令和3年度の課税標準額が、令和2年度の課税標準額を超える場合は、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額に据え置かれます。
(2)令和4年度
 令和4年度の価格(A)の70%と比べて令和3年度の課税標準額が以下の場合については、令和4年度の課税標準額は次のとおりとなります。
①令和3年度課税標準額がAの60%以上70%以下の場合
 →令和3年度課税標準額と同額に据置
②令和3年度課税標準額がAの60%未満の場合
 →令和3年度課税標準額+A×5%が令和4年度の課税標準額
 ただし、上記②により計算した額が、Aの60%を上回る場合はAの60%、Aの20%を下回る場合はAの20%
③令和3年課税標準額がAの70%を超える場合
 →Aの70%が令和4年度の課税標準額

住宅用地の場合

 住宅用地の固定資産税は、次のとおり求められます。
 課税標準額(令和3年度の価格に1/6又は1/3を乗じた額=B)×税率=税額
 ※200㎡以下の小規模住宅用地は1/6、200㎡を超える一般住宅用地は1/3
(1)令和3年度
 本来の課税標準額(B)が令和2年度の課税標準額を超える場合は、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額に据え置かれます。
(2)令和4年度
 本来の課税標準額(C)が、以下の額を超える場合は、以下の額が令和4年度の課税標準額となります。
 令和3年度課税標準額+C×5%
 ただし、上記により計算した額が、C×20%を下回る場合には、C×20%が令和4年度の課税標準額となります。