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取引事例比較法−市場での現実の取引に着目した価格です−
取引事例比較法(比準価格)
 土地は生活の基盤となる大事な財産であり、土地の売買は一生に一度あるかないかの重要な取引です。しかも、かなり高額な取引となるのが一般的です。
 したがって、土地を売る側はなるべく高く売ろうとしますし、買う側はなるべく安く買おうとします。仲介業者も間に入って、価格交渉等が行われ、お互い歩みよれる妥当な金額で売買価額が決まります。
 これは一つの売買事例に過ぎませんが、このような多くの売買の取引事例が集まることによって、一定の取引相場が形成されると考えることができます。
 そこで、対象地を売買するとした場合、これらの売買価格と比較したらいくらで取引されるだろうかという考え方に立って、鑑定評価する方法が取引事例比較法という方法です。

事例の収集及び選択
 取引事例比較法は、市場において発生した取引事例を価格判定の基礎とするもので、多数の取引事例を収集することが必要です。
取引事例は、原則として近隣地域又は同一需給圏内の類似地域に存する不動産に係るもののうちから選択しますが、必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域に存する不動産に係るもののうちから、または同一需給圏内の代替競争不動産に係るもののうちから選択するものとします。
 取引事例には、次の要件の全部を備えなければなりません。
@ 取引事情が正常なものと認められるものであること又は正常なものに補正することができるものであること。
A 時点修正をすることが可能なものであること。
B 地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものであること。

事情補正及び時点修正
 取引事例が特殊な事情を含み、取引価格に影響していると認められるときは、適切な補正を行います。また、取引事例に係る取引の時点が価格時点と異なることにより、その間に価格水準の変動があると認められるときは、当該事例の価格を価格時点の価格に修正します。

地域要因の比較及び個別的要因の比較
 取引価格は、取引事例が存する用途的地域の地域要因及び当該不動産の個別的要因を反映しているものであるから、近隣地域と事例不動産の存する地域との地域要因の比較及び対象不動産と事例不動産との個別的要因の比較を行います。

比準価格
このようにして求められる価格が比準価格となります。
事例価格×事情補正×時点修正×地域要因の比較×個別的要因の比較=比準価格

※【不動産鑑定評価基準(抜粋)】
取引事例比較法
1.意義
取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を比準価格という。)。
取引事例比較法は、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の取引が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の取引が行われている場合に有効である。
2.適用方法
(1)事例の収集及び選択
取引事例比較法は、市場において発生した取引事例を価格判定の基礎とするものであるので、多数の取引事例を収集することが必要である。
取引事例は、原則として近隣地域又は同一需給圏内の類似地域に存する不動産に係るもののうちから選択するものとし、必要やむを得ない場合には近隣地域の周辺の地域に存する不動産に係るもののうちから、対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合等には、同一需給圏内の代替競争不動産に係るもののうちから選択するものとするほか、次の要件の全部を備えなければならない。
@ 取引事情が正常なものと認められるものであること又は正常なものに補正することができるものであること。
A 時点修正をすることが可能なものであること。
B 地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものであること。
(2)事情補正及び時点修正
取引事例が特殊な事情を含み、これが当該事例に係る取引価格に影響していると認められるときは、適切な補正を行い、取引事例に係る取引の時点が価格時点と異なることにより、その間に価格水準の変動があると認められるときは、当該事例の価格を価格時点の価格に修正しなければならない。
時点修正に当たっては、事例に係る不動産の存する用途的地域又は当該地域と相似の価格変動過程を経たと認められる類似の地域における土地又は建物の価格の変動率を求め、これにより取引価格を修正すべきである。
(3)地域要因の比較及び個別的要因の比較
取引価格は、取引事例に係る不動産の存する用途的地域の地域要因及び当該不動産の個別的要因を反映しているものであるから、取引事例に係る不動産が同一需給圏内の類似地域等に存するもの又は同一需給圏内の代替競争不動産である場合においては、近隣地域と当該事例に係る不動産の存する地域との地域要因の比較及び対象不動産と当該事例に係る不動産との個別的要因の比較を、取引事例に係る不動産が近隣地域に存するものである場合においては、対象不動産と当該事例に係る不動産との個別的要因の比較をそれぞれ行うものとする。
また、このほか地域要因及び個別的要因の比較については、それぞれの地域における個別的要因が標準的な土地を設定して行う方法がある。
(4)配分法
取引事例が対象不動産と同類型の不動産の部分を内包して複合的に構成されている異類型の不動産に係る場合においては、当該取引事例の取引価格から対象不動産と同類型の不動産以外の部分の価格が取引価格等により判明しているときは、その価格を控除し、又は当該取引事例について各構成部分の価格の割合が取引価格、新規投資等により判明しているときは、当該事例の取引価格に対象不動産と同類型の不動産の部分に係る構成割合を乗じて、対象不動産の類型に係る事例資料を求めるものとする(この方法を配分法という。)。

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