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定期借地権の活用 ─ 期限が到来すれば確実に終了します ─
定期借地権とは
 定期借地権は、平成4年に「旧借地法」「旧借家法」「旧建物保護法」が廃止され、あらたに「借地借家法」が制定され設けられました。これは「旧借地法」の問題点を踏まえ、正当事由の有無にかかわらず、期限が到来すれば確実に終了する借地権です。
 定期借地権の種類は、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用定期借地権の3種類あります。

定期借地権のメリット
(1)土地が確実に土地所有者の手元に戻ってくる(更新性がない)
 定期借地権は、従来型の借地権と異なり、あらかじめ予定した期間が満了すれば借地権が法的に消滅します。正当事由の存否を問われることもないし、法定更新を問題とすることもありません。確実に借地権が消滅します。
(2)立退料がかからない(立退料不要)
 定期借地権は、契約が満了すると、借地権自体が消滅します。従って、定期借地権の場合は、立退料を支払って借地権を消滅させるのではなく、立退料を支払わなくとも期間が満了すれば、借地権の方が法律上消滅します。
(3) 保証金(権利金)が低額化する
 土地が確実に土地所有者の手元に戻り、かつ、その際に立退料もかからないとすると、従来の借地のような高額の権利金を徴収する必要性も根拠も低くなります。場合によっては保証金はゼロというケースも考えられます。
(4)土地が貸しやすく借りやすくなる条件が整う
 土地所有者にとってみれば、賃貸収入を得たうえで土地が確実に戻ってくるので、従来型借地とは異なり、遊休土地の活用が可能となり貸しやすい条件が整います。借地人側からすると、権利金が低額となるということは、土地の入手コストが低額化することになります。
(5)買取請求権がない
 建物の買取請求権がないので、明け渡し時に多額の資金を要しません。
(6)建替えによる期間延長がない
 借地期間は最初の契約で設定するので、途中からの延長はありません。従って借りる方は、期間に応じた建物を建てることになります。例えば、50年の一般定期借地権で建売物件を購入した借り主は、25年で建て替えして2度の新築住宅を楽しむことが出来ます。

一般定期借地権
(1)内容
 存続期間を50年以上とし、次の要件を全て約定(公正証書その他の書面で明記)することによって、更新がなく期間満了によって借地契約が終了します。
@契約の更新がないこと。
A存続期間中における建物築造による期間延長がないこと。
B借地権者が借地権の存続期間満了時に、建物買取請求をしないこと。
(2)留意点
@法律上は公正証書でなくても良いが、長期間の契約であるため、公正証書にしておくことが望ましい。
A契約書等には必ず上記3点の要件を明記しなければ効力を持たない。

建物譲渡特約付借地権
(1)内容
 借地権の存続期間を30年以上とし、借地権設定後30年以上を経過した後に土地所有者が相当の対価で建物を買い取ることをあらかじめ約定する定期借地権です。
 借地権者は、建物譲渡代金を受け取って土地を明け渡しますが、その借地権者はまた引き続き建物を賃借して居住することが認められます。
(2)留意点
@書面によることは義務づけられていないが、実務的には契約書を作成すべきである。
A土地所有者が30年先の買取りを確実にするためには、建物に所有権移転請求権の仮登記等の権利保全をしておくこおとが大切。
Bこの手法は、土地所有者が借地権期間終了後も賃貸事業を行うことを希望し、当初は借地権者の資金により建物を建設し、期間中は良好な維持管理ができるようなケースに適している。

事業用定期借地権
(1)内容
 事業用定期借地権は、事業専用(居住用は除く)の建物を所有することを目的とした定期借地権であり、次の要件が必要となります。
@借地権の存続期間を10年以上50年未満とする。
A借地上の建物は事業用に限定される。
B契約は必ず公正証書で行う。
(2)留意点
@事業用定期借地権は、(ア)契約期間が10年以上30年未満の場合と(イ)30年以上50年未満の場合に分けられ、(ア)の場合は事業用定期借地権と明記してあれば更新出来ない契約となるが、(イ)の場合は契約条項に「契約の更新をしない」などの特約を設けなければ普通借地権の規定が適用される。
A事業用定期借地権は、必ず公正証書で契約しないと無効になる。


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