» 2015 » 3月のブログ記事

 第30号の「空き家対策と固定資産税の減額特例」の中で「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されたことに触れましたが、平成27年2月26日に施行されました。(ただし、立入調査や特定空き家等に対する措置は5月26日から施行) 

 これにより、倒壊するなど著しく保安上危険となるおそれのある等の「特定空き家」は、固定資産税の減額特例が適用除外となる、とされています。 

 ところで、一部マスコミ報道の中には、『この減額特例の適用除外により、税負担が6倍になる』とありますが、この6倍との指摘は正しくはありません。 

 『1/6の減額適用除外』はそのとおりですが、現在の負担調整措置制度のもとでは、通常では『=税負担が6倍』にはなりません。 

 そこで今号では、改めて住宅用地の減額特例と、それを廃止した場合の非住宅用地の負担調整措置を説明することにします。 

◆住宅用地の負担調整措置 

 第30号にあるとおり、200㎡以下の小規模住宅用地では、固定資産税の価格(地価公示価格の7割)の1/6が本則課税標準額となります。また、200㎡を超える部分が一般住宅用地として1/3の減額になります。都市計画税は、200㎡以下が1/3に、200㎡を超える部分が2/3に減額されます。 

 「小規模住宅用地の負担調整措置」 (←詳細はここをクリック)

◆非住宅用地の負担調整措置 

 ここで、その家屋を取り壊して更地にしますと、その土地は非住宅用地となって、住宅用地の減額特例の適用はなくなります。 

 しかし、現在の固定資産税の仕組みでは、更地は商業地と同じ非住宅用地として評価されることになります。

 非住宅用地では、地価公示価格の7割が固定資産税の価格とされるとともに、その価格が本則課税標準額となります。そして、負担調整措置として、更にその価格の7割が上限価格とされています。つまり、非住宅用地(商業地)では、前年度の課税標準額が本則課税標準額の7割を超える場合は、7割まで引き下げられ、固定資産税価格の0.7(地価公示価格の0.7×0.7)が上限価格となる訳です。 

 「非住宅用地の負担調整措置」 (←詳細はここをクリック)

◆住宅用地が更地になった場合 

 いま面積が150㎡、固定資産税の価格が120万円の土地に居住用家屋(市街化区域内)があると仮定します。 

 ここで計算の便宜上、課税標準額が上限に達しているとしますと、小規模住宅用地ですので、固定資産税は価格の1/6で20万円×1.4%=2,800円、都市計画税は1/3で40万円×0.3%=1,200円で、合計4,000円の税額となります。 

 この家屋を取り壊して更地にすると、減額特例の適用はなくなり、非住宅用地として評価されることになります。 

 非住宅用地としての税額は、120万円×0.7×1.7%=14,200円(固定・都計税)となります。 

 これを、減額特例の適用税額と比較しますと、14,200円÷4,000円≒3.6倍になり、6倍ではありません。 

 「更地にした場合の比較」 (←詳細はここをクリック)

 では、市街化調整区域の住宅用地は都市計画税がありませんが、どうなるでしょうか。 

 固定資産税2,800円に対して、120万円×0.7×1.4%=11,700円で、約4.2倍となります。これも6倍ではありません。 

 仮に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」による「特定空き家」として減額特例の適用除外となった場合も、この計算と同じ結果になります。 

 平成6年に地価公示価格の7割(いわゆる7割評価)による負担調整措置が導入されほぼ20年が経過しますが、この制度もかなり定着してきているものと考えられます。 

 このように、空き家が取り壊されて更地になった場合、あるいは「特定空き家」として減額の適用除外となった場合、現行制度で比較するかぎりは『税負担が6倍』との指摘は必ずしも正しくはなく、3~4倍程度になるというのが正解です。

 ※上記では固定資産税は標準税率、都市計画税は制限税率を適用。

固定資産税の見直し・引下げ

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