» 2013 » 11月のブログ記事

◆「公共の用に供する道路」は非課税

 道路は通常、国道、県道、市町村道等のいわゆる公道ですので、固定資産税は非課税になっています。

 それに対して、私道は個人の方の所有土地ですので、固定資産税の課税対象になります。

 しかし、その私道が「公共の用に供する道路」であれば、非課税になります。

 では、「公共の用に供する道路」とは、どのような道路なのでしょうか。

◆「公共の用に供する道路」とは

 もちろん、公道は「公共の用に供する道路」ですが、ここでは公道以外の道路です。

 ①通り抜け私道

 通り抜け私道は、起終点が公道に接していること、幅員が1.8m以上であること、不特定多数の人に利用されていることが必要です。

 ②行止り私道、コの字型私道

 この私道は、2軒以上の家屋に利用されていること、幅員が4m以上であること、利用制限されずに不特定多数の人に利用されていることが必要です。

 ③いわゆるセットバック部分

 幅員4mに満たない公道に面している土地のセットバック部分で、一体となって道路の効用を果たしているものです。

 「通り抜け私道、行止り道路」 (←ここをクリック)

 「コの字型道路、セットバック部分」 (←ここをクリック)

 以上の要件は市町村によって若干異なる場合がありますので、ご注意ください。

 「公共の用に供する道路」であるにもかかわらず、課税されていると思われる方は、市町村の固定資産税担当に相談されることをお薦めします。

 なお、③のセットバック部分の道路部分が分筆されていればOKですが、分筆されてない場合でも、地積測量図などの資料を添えて申請すれば、「公共の用に供する道路」として非課税を認めてもらえます。

 固定資産税は、毎年1月1日の固定資産の所有者が納税義務者となり、課税されます。

 しかし、地方税法では、固定資産税が課税されない非課税制度というものが規定されています。

 では、この非課税制度とはどのようなものなのでしょうか。

 非課税制度には、二つの種類があります。

 一つは、固定資産の所有者からみて課税することができないもので、いわゆる「人的非課税」、もう一つは固定資産の性格又は用途により非課税となるもので、いわゆる「物的非課税」あるいは「用途非課税」と言われるものです。

 ところで、この非課税とは「課税しない」ということではなく、「市町村は固定資産税を課税してはいけない」という法的な課税禁止の制度なのです。

◆ 固定資産税の「人的非課税」

 「人的非課税」は、所有者の性格によるものですが、その所有者としては「国、都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び合併特例区」とされています。(地方税法348条1項)。

 これらが所有する固定資産の典型的なものとしては、国道、県道、市町村道あるいは役所の庁舎、公立学校などが該当します。

◆ 固定資産税の「物的非課税」

 固定資産税の非課税で注目すべきは、むしろ「物的非課税」の方です。

 「物的非課税」は、墓地、公衆用道路などのほか、宗教法人、学校法人、社会福祉法人等が所有している固定資産の場合、または無償でこれらの団体に使用させている場合になります。

 しかし、「物的非課税」はこれだけではありません。

 地方税法には、この「物的非課税」とされる固定資産が70項目ほど列挙されています。(地方税法348条2項等)

 「地方税法の非課税の範囲」 (←ここをクリック)

 ところで、この非課税制度が充分に適用されるためにも、固定資産の所有者がこの制度をしっかりと理解することが大切になります。

 なぜなら、役所の調査だけでは完全に把握できない部分もあるからです。

 よく問題になるのは、①私道であっても「公共の用に供している道路」や②土地所有者が社会福祉法人等に無償で使用させている場合です。 

 次号では、この①、②について解説します。

◆ 固定資産税の縦覧制度 

 固定資産税の価格は、毎年3月31日までに決定され、4月上旬には納税通知書及び課税明細書が送付され、年4回の納期がスタートします。 

 「固定資産税評価の年間スケジュール」 (←ここをクリック)

 固定資産税は毎年課税されているため、「今年も固定資産税の納税時期か」とこの期間を過ごす方がほとんどかと思いますが、地方税法にはこの時期に「縦覧」という制度が設けられています。 

 この縦覧制度とは、他の(納税者の)土地や家屋の評価額を縦覧することにより、評価額の適正さを判断できるようにするために設けられているものです。つまり、固定資産税の納税者が自分の価格と他の(納税者の)価格とを比較するために設けられている制度です。 

 そのため、市町村長は、(土地の場合)「所在、地番、地目、地積、価格」を記載した土地価格等縦覧帳簿を3月31日までに作成し、この縦覧帳簿を、希望する納税者の縦覧に供することになります。 

 縦覧期間は、「毎年4月1日から(通常は)最初の納期限の日まで」です。 

 最初の納期限は、多くの市町村では地方税法の標準納期の4月としているようですが、5月を最初の納期としているところもあります。また、評価替年度の3年に1回だけを5月としている市町村もあるようです。

※  東京23区内の第1期納期は6月、第2期は9月。

 具体的な縦覧方法は、上記の縦覧帳簿と、土地については路線価図面を閲覧することになりますが、固定資産課税台帳や名寄台帳等は縦覧の対象にはなりません。 

 縦覧の手数料は無料です。 

◆ 固定資産税の閲覧制度 

 固定資産税の納税者は、自分の課税内容については、縦覧期間に限らず、年間を通じて随時見ることができます。これを閲覧制度と言います。 

 閲覧制度で見ることができる書類は、自己の固定資産課税台帳、名寄台帳等になります。名寄台帳とは、1筆1棟ごとの課税台帳を所有者ごとにまとめた一覧表のことです。 

 閲覧の場合は、納税者本人だけでなく、借地人、借家人も借用物件の課税台帳等を見ることができます。 

 閲覧の手数料は、無料か有料かは市町村により異なります。ただし、証明書の発行はどの市町村でも有料です。

 「縦覧と閲覧制度」 (←ここをクリック)

◆ 固定資産税への不服審査の申出 

 固定資産税に対して不服がある場合、一定期間内に不服審査を申し出ることができます。 

 ところで、固定資産税に対する不服と言っても、①価格に対する不服と②価格以外の「処分」に対する不服の2通りがあり、①の場合は固定資産評価審査委員会に対して、②の場合は市町村長に対して申し出ることになります。 

 固定資産評価審査委員会とは、市町村ごとに設置され、学識経験を有する者のうちから市町村の議会の同意を得て、市町村長が選任します。 

 固定資産税の価格が固定資産評価審査委員会へ不服申出することとされている趣旨は、価格が納税者の負担に直接重大な影響を持つものであることから、独立した合議制の機関で慎重に審査させることとされているからです。 つまり、固定資産税の価格を決定した市町村長以外の第三者が審査することにより、より公平性を担保させようとの仕組みである訳です。

 不服審査の申出期間は、①及び②ともに、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して60日以内までとされています。

 仮に固定資産税の価格に不服があり、訴訟に訴えようとする場合には、まずこの不服審査申出を行わなければなりません。これを審査請求前置主義と言います。

 この審査の決定(採決)の送達を受けた日の翌日から起算して6ヵ月以内に、いずれの場合も市町村を被告として不服の訴えを提起しなければなりません。

 しかし、この審査請求前置主義も必ずしも絶対に必要では無いという最高裁の判例(平成22年5月3日)がありますが、この点については、改めて触れることとします。

固定資産税の見直し・引下げ

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