» 2013 » 8月のブログ記事

◆ 固定資産は原則全ての土地を評価

 固定資産税評価の基本となる地価公示、都道府県地価調査及び標準宅地の評価については、不動産鑑定士等の鑑定評価により、全体の均衡化及び適正化が図られています。

 しかし、固定資産税(土地)が課税されるのは標準宅地だけでなく、原則として、すべての土地、全国で約1億6千万筆が評価され課税されています。

 筆者は、固定資産税に関する苦情や相談をいただく機会が少なからずあります。

 「自分の固定資産税が安くならないか」、「この土地の評価額は高いのでは」、「評価が間違っているのではないのか」等々です。

 今回のテーマは極めてプロ向きですが、「不動産鑑定評価は固定資産税評価の適正な時価を証明できるか」です。個々の土地の固定資産税評価に対して、不動産鑑定で評価した価格が適正な時価である、と主張できるかということです。

◆ 相続税評価では時価証明も可能

 何故このような問題提起をするかと言えば、不動産鑑定士から見て、固定資産税評価の基準(補正率等)に甘さを感じることがあるからです。

 例えば、急激な崖地部分がかなり占めているような土地、形状が極めて悪く使い勝手が悪い土地、面積がかなり大きい土地など、鑑定評価であれば評価額をもっと下げるのになどと感じることもあります。

 同じ資産税でも相続税評価の場合は、不動産鑑定書による時価証明(税務署に鑑定書を提出)することも認められる場合もあります。

◆ 鑑定評価で固定資産税評価を修正するのは難しい

 ところが、固定資産税の場合は、固定資産評価基準に従って評価されている限りは、不動産鑑定評価でそれを覆す(適正な時価を証明する)のは難しいと考えられます。

 「固定資産税の課税標準となるべき価格は、適正な時価をいうものであり、固定資産評価基準は、適正な時価を求めるための手続き、方法を規定しているのであって、適正に運用される限り、これによって求められたものは適正な時価と考えられる」との解釈が一般的なものとなっています。

 相続税評価では時価証明が認められる可能性があるのに、固定資産税では難しいのは、固定資産評価基準に法的拘束力があるからと考えられます。

 では、固定資産税評価に対しては何も言えないのかいうと、決してそのようなことはありません。これは、あくまでも不動産鑑定評価との関係についての考察に過ぎません。

 確率として多い訳ではありませんが、固定資産税評価が基準どおり適正に運用されていない場合や、いわゆる「課税誤り(ミス)」と呼ばれるものが、マスコミ報道で後を絶たないのも事実なのです。

◆ 平成25年7月12日最高裁判決

 ごく最近、最高裁第二小法廷で次のような固定資産税に関する注目すべき判決が出されました。

 「評価対象の土地に適用される評価基準の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり、かつ、当該土地の基準年度に係る賦課期日における登録価格がその評価方法に従って決定された価格を上回るものでない場合には、その登録価格は、その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り、同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものでないと推認するのが相当である」

 とても難解な言い回しですが、要は「評価基準に従っても、その評価方法に一般的合理性が欠けている場合は、そもそも客観的な交換価値を上回るものでないとは言い切れない。……」(筆者注)と、平成15年6月26日の最高裁判決(客観的交換価値)を一段超えたとも言える判決であります。

 ※ この件については、後日改めて解説したいと思います。

◆ 固定資産税評価の仕組み(再掲)

 これまでの固定資産税評価に関する内容を要約しますと

① 固定資産税の価格は、適正な時価をいう。

② 適正な時価とは「正常な条件の下において成立する取引価格(客観的交換価値)」である。

③ 固定資産税の価格が②の客観的交換価値を上回る部分は違法とされる。

④ 総務大臣は、評価の基準、実施の方法、手続きを定めた固定資産評価基準を定め告示しなければならない。

⑤ 市町村長は、この固定資産評価基準により固定資産税の価格を決定しなければならない。

⑥ 固定資産評価基準を適正に運用する限りは、これによって求めた価格は適正な時価と考えられる。

⑦ 固定資産評価基準により求める固定資産税の課税標準となるべき価格は、地価公示価格の7割を目途とされている。

 ここで不動産鑑定評価の観点から少し言わせていただきますと。。

 地価公示価格は、不動産鑑定士が鑑定評価で求める正常価格になります。

 そして、鑑定評価の正常価格の意味は、②の「正常な条件の下において成立する取引価格」と同義であり、となると「適正な時価」とも同義ということになります。

 さらに、⑥固定資産評価基準によって求められた価格も「適正な時価」であり、⑦それは地価公示価格の7割で、鑑定評価の用語に翻訳すればこれも正常価格となる訳です。

 ところで、不動産鑑定評価の正常価格にも一定の幅があることは認めるところですが、仮にその幅が3割であると言われれば、それは大き過ぎると言わざるを得ないでしょう。

 平成15年最高裁判決の③「固定資産税の価格が賦課期日における客観的な交換価値を上回れば違法となる」との意味は、地価公示価格の水準を上回れば違法という意味に解釈しますと、これは理解できるところです。

 このように見ると、やはり地方税法上の「価格」は2つあると思わざるを得ません。

 1つは①の価格で鑑定評価レベルの「正常な価格(の上限)」、もう1つは⑥の文言どおりの「固定資産税の(課税標準となるべき)価格」、この2つの「価格」です。

 とは言え、納税者からすれば、幅が大きくても固定資産税の価格が低くなれば歓迎されるのが一般的で、「適正な時価」の下限の議論が進まないのも現実であります。

◆ 市街地宅地評価法

 固定資産税評価の評価方法は、「市街地宅地評価法」と「その他宅地評価法」の二つがあります。

 市街地宅地評価法とは、市街地地域に適用される方法で、街路に固定資産税路線価が設定され、この路線価に基づいて個別の土地が評価される方法です。

 この路線価は市場の取引価格水準の7割を目途とされていますので、逆に路線価から市場価格を推定することが出来ます。

 例えば固定資産税路線価が120,000円/㎡の場合は、市場価格の目安は120,000÷0.7で約171,000円/㎡となります。

 ただし、この価格はあくまでも、街路の標準的な目安としての価格で個々の土地の価格ではありません。個々の土地は個別的な要因があり、その要因等を考慮しないと「その土地の価格」とはなりません。(この点は次号で)

 ところで、標準宅地の適正な時価を求める根拠規定は、固定資産評価基準の第12節の経過措置にあります。

 「標準宅地の適正な時価を求める場合には、当分の間、基準年度の初日の属する年の前年の1月1日の地価公示価格及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格等を活用することとし、これらの価格の7割を目途として評定するものとする。」

 ここで、「当分の間」とありますが、法律でよく使われる表現で、事実上恒久的に施行される場合も無い訳ではありません。

◆ 平年度の下落修正措置

 固定資産税の評価は3年毎の評価替えで、本来、平年度は価格が据え置かれます。

 しかし、現在、平年度に地価の下落が見られた場合は、下落修正措置が行われています。

 この根拠は、同じく固定資産評価基準の経過措置です。

 「宅地の価額においては、市町村長は、◯年1月1日から◯年7月1日までの間に標準宅地等の価額が下落したと認める場合には、…修正を加えることができる。」「宅地の価額については、都道府県地価調査及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価等を活用し…下落状況を把握するものとする。」 とあります。

◆ 直近はH27年度評価替え

 不動産鑑定士は、毎年、地価公示価格と都道府県地価調査価格の鑑定評価業務に携わるとともに、3年に1度、固定資産税の評価替えの標準宅地の適正な時価の評定に係わることになります。

 直近の3年に1度の固定資産税評価替え年度は、平成27年度になります。

 そして、この場合の賦課期日は平成27年1月1日、価格調査基準日は1年前の平成26年1月1日となり、そのための不動産鑑定士による標準宅地の鑑定評価作業は今年度から始まることになります。

 「固定資産評価基準(総務省)」 (←ここをクリック)

◆ 固定資産税の負担調整措置

 平成6年度から、固定資産税が地価公示価格の7割を目途とされたことは何回も触れましたが、実はこの時期はバブルが弾けて地価が下落傾向を辿り始めた時期でもありました。

 つまり、地価が下落しているにも拘わらず、固定資産税の課税標準額は上昇するという状況が生じたのです。

 「地価が下がっているのに何故固定資産税は上がるのか」とあらゆる方面から言われ、行政に携わっていた者(筆者も含めて)としては、「大きな試練だなあ」と内心嘆いたものでした。

 ここに「地価と固定資産税の推移」の概念図(商業地の例)を掲げますので、ご覧ください。

 「地価と固定資産税の推移」 (←ここをクリック)

◆ 価格と課税標準額との乖離

 平成6年度に地価公示価格の7割を固定資産税の価格とすることにしたものの、それまで実質的に1〜2割程度であったものを一気に上げることが出来ないことから、少しづつ上げていくという経過的措置を採用した訳です。

 この図で、地価公示価格(青色)とその7割(負担水準では100%)の固定資産税の価格は同時に徐々に下がっているのに、固定資産税の税額を計算する元になる課税標準額(赤色)は逆に少しづつ上がっています。

 本来は、固定資産税の価格と課税標準額は一致すべきものですが、いきなり一致させるには衝撃が大き過ぎることから、緩衝措置ともいうべき仕組みを設けたため、この二つが乖離する状況となっています。

 この緩衝措置の仕組みとは、前年度の課税標準額の到達点に応じて「引下げ」「据え置き」「引上げ」ゾーンに振り分ける負担調整措置のことです。

 残念ながら、この負担調整措置により、固定資産税(土地)の仕組みは更に複雑で分かりにくいものとなっているのです。

◆ 商業地の負担調整措置

 上の概念図「地価と固定資産税の推移」の例で少し説明します。

 例えば、前年度(24年度)課税標準額が950万円、今年度(25年度)の価格(本則課税標準額)が1300万円としますと、今年度価格に対する前年度課税標準額の割合は、950万円/1300万円=73.1%となり、70%まで引下げる「引下げゾーン」に入ることになります。したがって、25年度の価格は1300万円×70%=910万円となります。

 商業地の価格は、地価公示価格の70%(負担水準では100%)が固定資産税の価格となり、更にその70%が商業地の上限とされています。その結果、商業地の実際の上限値は70%×70%=49%で地価公示価格の49%が上限価格となります。

 固定資産税の評価割合は地価公示価格の7割ですが、商業地の場合では、実際には地価公示価格の約5割ということになります。

 住宅用地の場合は更に低くなりますが、これは別の機会に説明します。

 「負担水準の仕組み(商業地)」 (←ここをクリック)

 それまで同一の固定資産評価基準に基づいて評価を行っていたにもかかわらず、全国的にも市町村内部でも、固定資産税の負担水準のバラツキがあり、固定資産税の均衡化・適正化が満たされていない部分がありました。

 負担調整措置とは、これを長期的な視点から是正しようとの仕組みでもあります。

 この仕組みが実施され、部分的な変更はありましたが、ようやく20年経過しようとしている今、「地道な努力」が実りつつあるのではないかと思っています。

◆ 固定資産税評価は3年サイクル

 ところで、固定資産税の評価は3年毎に評価替えを行う、いわゆる3年サイクルです。

 地価が右肩上がりに上昇しているときは、2年間据え置かれることにより、平年度の税額はそのままで、納税者にとってはメリット(?)があることになります。

 しかし、逆に3年の間に地価が下がっている右肩下がりの場合(今までがそうですが)は、2年間高い価格が据え置かれることになります。

 そこで、右肩下がりの地価下落が見られた場合には、評価替年度以外の平年度においても固定資産税を引き下げるという下落修正措置が為されています。

 「固定資産税評価の3年サイクル」 (←ここをクリック)

◆ 固定資産税の二つの価格?

 固定資産税の価格は、地方税法341条5号の「適正な時価」と403条1項の「固定資産評価基準によって決定された価格」とあたかも二つの「価格」があるようです。

 しかし、実務上の解釈は一貫されています。

 「固定資産税の課税標準となるべき価格は、適正な時価をいうものであり、固定資産評価基準は、適正な時価を求めるための手続き、方法を規定しているのであって、適正に運用される限り、これによって求められたものは適正な時価と考えられる」(要説固定資産税)

 「適正に運用される限り」は固定資産評価基準と「適正な時価」は矛盾しないということです。

 繰り返しになりますが、固定資産税の評価割合は、それまでは実質的に地価公示価格の1〜2割程度であったものが、平成6年度から地価公示価格の7割を目途とされました。

 もっとも、昭和50年代の地価安定期における固定資産税の評価割合が7割程度であったことを前提にすれば、むしろ昭和60年代の地価高騰(バブル)期以降の方が不正常な評価割合であったと考えるべきなのかもしれません。

 しかし、平成6年度の制度改正により、固定資産税の不服申立は、それまで全国で6千件弱であったものが、一挙に3倍を超える件数になり、裁判で争われる件数も増えました。

◆ 客観的交換価値を超える部分は違法

 では、平成6年度までの固定資産税の「適正な時価」とはどのような解釈であったのでしょうか。

 ここに代表的なものとして、昭和34年6月16日の静岡地裁判決を紹介します。

 「固定資産の価格、すなわち、その適正な時価とは本来その通常な取引価格を指すものと解すべきであるが、評価は常に公平になされなければならないから、決定された価格が通常の取引価格を著しく超える場合はもちろん、これを超えない場合でも、課税政策上その他の正当な理由なしに、他とはなはだしく均衡を欠く場合には、その価格は適正でなく、その決定は違法となるものである。」

 このように、「はなはだしく均衡を」を欠かない限りは違法とはならなかった訳です。

 これが、平成6年度以降7割評価となったことにより、「適正な時価」の解釈は次のようになりました。

 平成15年6月26日の最高裁判決です。

 「適正な時価とは、正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうと解される。したがって、土地課税台帳に登録された価格が賦課期日における当該土地の客観的な交換価値を上回れば、当該価格の決定は違法となる。」

 この最高裁判決の最大のポイントは「客観的な交換価値を上回ればその価格は違法となる」というものです。

 ただし、この判決の背景としては、やや特殊状況もあったと考えられます。

 当時は、それまでのバブルが弾けて、東京都内の一部では、1年間に30%を超える地価の下落がありました。

 そのため、地価公示価格より30%低い固定資産税の評価割合であっても、それを超える下落率には追いつかなかったという特殊状況があったのです。

 この最高裁の判決以降、固定資産税の価格は「客観的な交換価値」で、それを上回る部分は違法となるとの解釈が定着しましたが、実はこの判決は特殊状況における判決でもあったのです。

◆ 固定資産税評価7割の根拠

 前号で、固定資産税の評価額は地価公示価格及び不動産鑑定士の鑑定評価から求められた価格の7割を目途にされている、と書きました。

 この地価公示価格の7割とされた理由は、当時の相続税評価(地価公示価格の8割)や昭和50年代の地価安定期における地価公示価格に対する固定資産税の評価割合等から定めたとされています。

 また、判例等では、この7割評価の理由として次のような見解が示されてきました。

① 固定資産税評価は、地価公示価格に含まれる合理的期待(例えば新駅が出来る将来期待等)要素を排除する。

② 固定資産税評価は大量一括評価の面もあり、評価の安全性をみた堅めの価格とする。

③ 地価下落時での、賦課期日と価格調査基準日(1年前)とのタイムラグを調整する。

 筆者としては、3割の差が妥当かどうかは別としても、評価割合を設けた理由としては、②の「評価の安全性」が最もしっくりくるように思っています。

◆ 固定資産税評価基準の法的拘束性

 では、そもそも固定資産税の評価額はどのように決定されるのでしょうか。

 地方税法349条1項によると「土地又は家屋に課する固定資産税の課税標準は基準年度における賦課期日の価格として登録されたもの」(省略は筆者責任)とあります。

 同法388条1項で「総務大臣は固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続き「以下「固定資産評価基準」)を定め、これを告示しなければならない。」

 同法403条1項で「市町村長は固定資産評価基準によって、固定資産税の価格を決定しなければならない。」

 つまり、市町村長は総務大臣により告示された固定資産評価基準により、固定資産税の評価額(価格)を決定しなければならないのです。

 この403条1項は、かつて(昭和37年以前)は固定資産評価基準に「準じて」決定すべきとなっていましたが、現行は「基準によって、決定しなければならない」とされています。

 したがって、固定資産税の評価額決定に対する固定資産評価基準の法的拘束性がより強まったと言えます。

 ここに、昭和57年3月30日福岡地裁判決を掲げます(要旨)。

 「告示とは、公示を必要とする行政措置の公示の形式である。固定資産評価基準は、法388条1項に基づき、その明示的具体的委任を受けて、自治大臣が固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続きについて市町村間の評価の統一的均衡化を図るために発したものであって、昭和37年改正法による改正前の法403条が「準じて」としていたものを、「よって」固定資産の価格を決定しなければならないと」定めて、…市町村長は、固定資産評価基準に従った評価をなすべく義務づけられているものと解するのが相当である。その意味で、固定資産評価基準は、法的拘束力を有しているものといわなければならない。」

 では、固定資産税と同じ資産評価の相続税ではどうでしょうか。

 相続税の財産(土地)評価においては、国税庁により財産の評価に関する取扱方法の全国的統一を図るための「財産評価基本通達」が発せられていますが、相続税法の規定により委任されている訳ではありません。

 相続税評価において、仮に減価要素の強い土地などの場合に、不動産鑑定評価によって時価証明が認められる(可能性がある)のも、このような仕組みからと考えられます。

 固定資産税は、全国一律の大量一括評価ですので、この固定資産評価基準により「固定資産税の課税標準となるべき価格」が決定されます。 

 併せて市町村ごとの詳細部分については「所要の補正」として定められてもいます。

◆ 価格=適正な時価をいう

 ところで、地方税法には、固定資産税の価格に関するもう一つ規定があります。

 地方税法341条5号で「価格 適正な時価をいう。」との規定です。

 この地方税法で規定される「二つの価格」(?)の関係はどうなのでしょうか。

 実は、平成8年頃から、この固定資産税の「適正な時価」をめぐって、納税者側、行政側ともに「厳しい時期」を迎えたのでした。

 筆者は、長年地方公務員として不動産関係や固定資産税の仕事に携わってきました。

 本講座は、「役に立つ固定資産税講座」をテーマにして、これまでのセミナー等での講師経験も活かしつつ、出来るだけ分かり易い説明に心がけるつもりです。

◆ 固定資産税とはどのようなもの

 では、そもそも固定資産税とはどのような税なのでしょうか?

 固定資産税は「土地と建物に課税される税金」と答える人がほとんどですが、これは正確ではありません。

 固定資産税とは、土地、家屋(固定資産税の場合は建物ではなく家屋と呼びます)及び償却資産の3つの資産に課税される税です。

 固定資産税とは別に償却資産税があると勘違いされがちですが、償却資産税という税目はありません。償却資産税ではなく「固定資産税のうちの償却資産」というのが正解です。

 固定資産税は「シャウプ勧告」に基づき、昭和25年に現行の地方税法が制定されたのに伴い創設されました。

 もっとも、土地に対する課税は古くから、年貢制度やその後の地租(国税)などの制度で行われていました。

 固定資産税は全国どこでも土地や家屋を所有していれば(非課税を除いて)課税される資産税で、基本的に役所が一方的に評価し課税するもので、これを賦課課税と言います。(償却資産は原則として申告を前提にしています。)

 これに対して相続税は、申告に基づく申告課税と言います。

 全国で課税対象となる固定資産税の土地の数はおおよそ1億8千万筆、家屋は約6千万棟とされ、基本的に全国すべての土地及び家屋が評価され課税されます。

 そのため固定資産税評価は「大量一括評価」とか「大量画一評価」とも呼ばれ、そこでは同じ基準の下に同じ方法で評価されることが要請されます。

 その基準となるのが地方税法と固定資産評価基準です。そして地方税法と固定資産評価基準の下に市町村ごとに、評価関係では事務取扱要領が定められ、課税関係は条例、規則が定められています。

◆ 土地の公的価格の一元化

 ところで、「土地の公的価格(評価)の一元化」という言葉を耳にされたことがあると思います。また「一物四価」とも言われます。

 土地の公的価格、「一物四価」とは、通常①地価公示価格、②都道府県地価調査価格、③相続税評価額、④固定資産税評価額の4つの価格を指します。

 ここで、①と②は地価公示法及び国土利用計画法に基づき、一般の土地取引の指標となるべきもので、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補(以下「不動産鑑定士等」)の鑑定評価の基準や公共用地の取得価格の算定基準ともなるべき価格です。

 ③は相続税及び贈与税課税のための価格であり①②の約8割を、④はその約7割を目途とすることとされています。

 昭和60年以降の地価高騰の影響を受けて、固定資産税評価額の水準が市場価格の1〜2割程度にまで低下し、地域間でもその割合が異なるなどの不均衡が生じていました。

 こうした事態の中で、適正な地価の形成、課税の適正化を図るため、価格相互の一元化を図ろうとするのが公的価格の一元化です。

 この根拠となる規定が平成元年に施行された土地基本法です。

 土地基本法第16条(公的土地評価の適正化等)

 「国は、適正な地価の形成及び課税の適正化に資するため、土地の正常な価格を公示するとともに、公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるように努めるものとする。」

 そして、固定資産評価額は、平成6年度から、地価公示価格の水準及び不動産鑑定士等の鑑定評価の7割を目途とすることとされたのでした。

固定資産税の見直し・引下げ

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